
この間からゴローさんと
どうして空は青いんだろ。。と話してて。。
とはいえ乏しすぎる知識どおしの会話は
当然のことながら結論が出るわけでもなく
それでもその会話自体が楽しいので
それはそれでいいと思ってました。
そんなある日
この言葉が目に入りました。
『空が青いから白をえらんだのです』
なんだろ、、この突き抜けた感覚、、、
よく見るとその言葉は
奈良少年刑務所詩集のサブタイトルでした。
受刑者の更生教育のひとつ『社会性涵養プログラム』
の授業から生まれた57編の詩を集めた本。
その授業を受け持った、寮 美千子さんの編集です。
あとがきより。。
対象は、刑務所のなかでも、みんなと歩調を合わせるのがむ
ずかしく、ともすればいじめの対象にもなりかねない人々。
極端に内気で自己表現が苦手だったり、動作がゆっくりだっ
たり、虐待された記憶があって、心を閉ざしがちな人々だ。
「家庭では育児放棄され、まわりにお手本になる大人もなく、
学校では落ちこぼれの問題児で先生からまともに相手にして
もらえず、かといって福祉の網の目にはかからなかった。
そんな、いちばん光の当りにくいところにいた子が多いんです。
ですから、情緒が耕されていない。荒れ地のままです。自分自
身でも、自分の感情がわからなかったりする。でも、感情がな
いわけではない。感情は抑圧され、溜まりに溜まり、ある日何
かのきっかけで爆発する。そんなことで、結果的に不幸な犯罪
となってしまったというケースもいくつもあります。先生には
童話や詩を通じて、あの子たちの情緒を耕していただきたい」
とのこと。
これは大変な仕事だと思った。あらゆるセイフティー・ネット
の網の目からこぼれた子たち。この教育が、最後のセイフティー
ネットなのだ。…‥ 「空が青いから‥‥」はそんな受講者の一人が書いた、
「くも」というタイトルの、この一行だけの詩の言葉でした。
この詩の背景が少し書かれていました。
Aくんは、普段はあまりものを言わない子でした。
そんなAくんが、この詩を朗読したとたん、堰を切ったように
語りだしたのです。
「今年でおかあさんの7回忌です。おかあさんは病院で『つらい
ことがあったら、空を見て。そこにわたしがいるから』とぼくに
いってくれました。それが最後の言葉でした。
おとうさんは、体の弱いおかあさんをいつも殴っていた。
ぼく、小さかったから、何もできなくて…」
Aくんがそう言うと、教室の仲間たちが手を挙げ、次々に語りだ
しました。
「この詩を書いたことが、Aくんの親孝行やと思いました」
「Aくんのおかあさんは、まっ白でふわふわなんやと思いました」
「ぼくは、おかあさんを知りません。でもこの詩を読んで、
空を見たら、ぼくもおかあさんに会えるような気がしました」
と言った子は、そのままおいおいと泣きだしました。‥‥犯してしまった罪は被害者やその家族に
身体の傷のみならず心にも癒えることのない傷を、残します。
その罪を、受刑者が本当に受け止め向き合うには
心を開いてこそ初めて出来うることだと思います。
そしてなんとしても2度と同じ過ちを繰り返させてはいけない
これは塀の外の社会に住む私達大人にも責任があると思います。
その愛情で守っていかなければいけない
それが被害者を生まないことにもつながります。
涵養(かんよう)という言葉は
「自然に水が浸透していくようにゆっくり養い育てること」
という意味合いの言葉だそうです。
文庫版がシエスタに置いてあるのでお時間のある方は
めくってみて下さい。